シャンパンのつくり方 知っていますか

シュワシュワする泡が高級な気持ちにさせてくれる「シャンパン」

この「泡」はいったいどうやってつくるのでしょうか?

この記事では、シャンパンのつくり方について解説します。これを読めば「なぜシャンパンが他のスパークリングワインに比べて値段が高いのか」が分かるようになります!

美味しいシャンパンの造り手に感謝しながら、是非お楽しみください。

 

シャンパンのつくり方①収穫を手摘みで行う

シャンパンは全て手摘みで収穫を行うのが鉄則です。1房ずつ丁寧に収穫したブドウは、皮の色がつかないように素早く果汁を絞ります。

手摘み収穫だから大変!

機械で収穫を行うと、コストは抑えられますが、ブドウが潰れて「ブドウの皮の色」が果汁についてしまいます。そうすると、美しい黄金色のシャンパンにはなりません。

もちろん、一房づつ丁寧に収穫することで、出来の良いブドウだけを選んでシャンパンをつくる事が出来ます。時間も手間も必要な「手摘み収穫」を行うシャンパンは、コストがかかるのも事実です。

 

シャンパンのつくり方②ベースワインをつくる

まずは、泡が無い「普通のワイン」を造ります。これが「シャンパン」のもとになるベースワインです。

シャンパンの特徴は「色々なベースワインをブレンドする」ことです。

品種や畑の違うもの、ヴィンテージの異なるワインをブレンドして、毎年同じ味わいを造っているのです!

「大量のベースワイン」を保管しているから大変!

大きなメゾン(※)では、数十種以上の「ベースワイン」をブレンドしてシャンパンをつくるのが普通です。そのため、過去のヴィンテージワインを始め、大量に「ベースワイン」保管しておかなくてはなりません。

コストもかかりますが、このブレンドがシャンパンの味を決める最も大切な工程と言えます。

(※)メゾン=シャンパンを造るワイナリーのこと

 

シャンパンのつくり方③瓶詰めと二次発酵を行う

ベースワインを、1本づつ瓶に詰めていきます。
この時に、ワインと一緒に「糖分と酵母の混合液」をいれて密封します。

すると、瓶の中で二次発酵が起きて「炭酸ガス」が瓶の中にたまっていくのです!この炭酸ガスが、シャンパンの泡の正体なのです。

1本1本瓶につめてから「二次発酵させるので」大変!

瓶内二次発酵とは「瓶の中で2回目のアルコール発酵を起こす事」です。
一次発酵は、ベースワインをつくる(ブドウ果汁→ワインになる)時に起こります。この時にも炭酸ガスは発生しますが、空気中に逃げていくので、ワインの中に泡が残る事はありません。

安価なスパークリングワインでは、大きなタンクの中でまとめて二次発酵させる方法もありますが、シャンパンは1本づつ瓶の中で行うのでコストがかかるのです。

 

シャンパンのつくり方④澱の上で熟成させる

「泡が溶け込んだワイン」を、瓶の中で1年以上熟成させます。

この時、瓶の中には死滅した酵母が「澱」となって沈んでいます。死骸と聞くと、イメージは悪いですが、実はこの「澱」がシャンパンに、香ばしい香りを与える大切な役割を果たします。

高級シャンパンは、この熟成期間が長い為、より複雑な香りになります。

また熟成が長ければ、泡のサイズも小さくなり、よりワインに溶け込む繊細な味わいになります。

1本づつ寝かせて保存するから大変!

シャンパンを熟成させるときは、瓶を横に倒して熟成させています。なぜなら、瓶を横にした方が沈んでいる「澱」とワインが接する面積が多いからです。

瓶を綺麗に積み上げて保存するのは時間も手間もかかりますが、少しでも澱と接触させた方が風味が出るからなのです。

▼メゾンに見学に行くと、地下のセラーには大人の身長ほどに積み上げられたシャンパンが、熟成している様子を見る事が出来ます。

 

シャンパンのつくり方⑤澱を取り除き、味を調整する

熟成が終わったシャンパンは「澱」を取り除きます。

ここに、糖分を加えたリキュールを加えて甘さを調節すれば、美しい液体の「シャンパン」が完成です。

最近では、糖分を加えない「ノン・ドサージュ」も、大人気です。

1本づつ澱を取り除くのは大変!

倒した瓶の下側にたまった「澱」を少しづつ瓶口に運び、冷却させてから取り除く方法が一般的です。
澱を瓶口に運ぶのは、ほとんどが機械で行うとはいえコストのかかる作業です。

 

シャンパンのつくり方⑥コルクをして泡を閉じ込める!

瓶の中には炭酸ガスがつまっているので、しっかりとコルクをし、シャンパンはキャップ付きの針金(ミュズレ)でさらにしっかりと蓋をします。

シャンパンのボトルって、普通のワインより重い!と思ったことありませんか。実は、シャンパンは、通常のワインのボトルに比べて重くしっかりしたものが多いです。

それは、ボトルに入れたあとも何十年も保管できるようにです。炭酸ガスがたっぷり入った瓶は、薄いガラスだと耐えきれなくて、爆発してしまう危険があるからです。

頑丈な瓶だから大変!

特に高級シャンパンほど、とても重く、しっかりしたボトルになっています。
気圧に耐えられるように、しっかりした瓶でつくられていますが、瓶自体のコストはもちろん、重い瓶は輸送にもコストがかなりかかってしまいます。

シャンパンと同じつくり方で他の地方でつくっても「シャンパン」とは言えない

シャンパンと名乗るにはフランスのシャンパーニュ地方で、上記の様に造られたスパークリングワインでなければなりません。

他にも葡萄品種など、決められた規定を守らないと「シャンパン」と名乗ることが出来ません。

そのため「シャンパン」は特別な飲み物なのです。

世界中には「シャンパン」と同じ製法で造った、スパークリングワインも沢山あります。その土地ならではの葡萄品種で造るスパークリングワインは、シャンパンとはまた違った美味しさです。
是非試しtてみてください。

シャンパンをつくるのは大変!

シャンパンの製造工程を簡単に説明しましたが、いかがだったでしょうか?

お値段が高いシャンパンには、実は色々な理由があったのです。

「大変なこと」を、たくさん乗り越えて、目の前のグラスに届いた1杯のシャンパンを存分にお楽しみください。