ワインインポーターになるには!?必要な免許から書類の手続きまで。
ワインインポーターとは、海外のワイナリーからワインを輸入して、酒屋やレストラン、また一般消費者に売る業者のことです。
「海外の生産者が造るワインを、皆様のもとに届ける橋渡しの仕事」とも言えます。
なんとなく華やかなイメージに見えますが、実はその裏側には、沢山の手続きと書類にあふれています。
この記事は「すべて自分たちで行っている小さいインポーターSoleic」だからこそお伝えできる、知られざるインポーター業の裏側と、必要な書類についてインポーター兼ソムリエがお伝えします。
「インポーターってどういう仕事をしているの?」という方も「これからインポーターを始めてみたい」と思っている方も。是非、楽しく読んでください!
※適宜更新される情報は、国税庁はじめ多くの公式サイトにございますので、ここは参考程度にしてくださいね※
ワインを日本国内で売るためには「酒販免許」が必要!
インポーターとして日本でワインを輸入販売したいと思う場合は、まずは「酒販免許」を取得しましょう。
輸入に限らず、免許無しに国内で「酒類」を売る事は違法になってしまいます。
酒税が関わってくるので、管理しているのは全て「国税庁」です。
酒販免許にも何種類かあります。「どのようなお酒を」「どのように売るのか?」によって必要なものが異なりますので、国税庁のHPで確認のうえ、適した免許を取得しましょう。
輸入するワインを決める!
本格的に「インポーターらしい」お仕事の始まりです。まずは、輸入するワインを見つけて交渉する事から始まります。
ワインを探す方法
ワインを見つける方法は色々あります。
・現地で見つける。現地の人に紹介してもらう。
・ネットで探す。最近はSNSでの紹介も。
・国内の展示会などで探す。
初めは現地で見つけた、又は紹介してもらったワイナリーから仕入れる事が多いでしょう。
「この素晴らしいワインを輸入したい!」という気持ちが・・これからの面倒くさい手続きを頑張れる気力になります(実話です!)
小さいインポーターだからこそ出来る、こだわりのワインを探してみましょう!
ワイナリーと交渉する
輸入したいワインが見つかったら早速、ワイナリーとの交渉スタートです。
価格・本数はもちろん、既に日本国内に輸入されているものかなども確認しつつ、ワイナリーと話を詰めていきます。
交渉が成立したら、ワイナリーから「Invoice(Proforma Invoice)」を発行してもらいましょう。
輸入するための準備を整える!
ワイナリーとの交渉が終わったら、輸入手続きの準備を行いましょう!
まずやるべきなのは、この2点です。
①輸送手段の確保
→輸送会社とコンタクトを取り、輸送の手はずを整える。
②分析証明書の入手
→ワイナリーに依頼して用意してもらう。
輸送手段を決める
輸送会社とコンタクトをとって輸送方法について決めましょう。
大手の輸入会社は自社のコンテナ船で輸入することが主ですが、小さいインポーターの場合は、輸送会社に依頼するのが一般的です。
輸送会社に依頼する前に、下記の事を確認しておきましょう。
・輸送形態を決める
輸入は貿易取引です。貿易条件に関する「インコタームズ」に従って取引するのが一般的です。
インコタームズ→「商品を運ぶ費用やリスクなどの負担を決める貿易条件」
世界共通のもので『EXW』などアルファベットで表されている。
例えば、「輸送費用はワイナリーと、インポーターどちらが持つのか?」「輸送中に何かあった場合の保険料は、どちらが持つのか?」などをワイナリーと交渉して決めなくてはいけません。
特に海外では「契約」が何よりも大切な事なので、条件を慎重に調べた上で行いましょう。
Soleicでは「輸送費は弊社もち」のEXW取引を行っています。そのため、続く部分はEXWでのご紹介です。
インコタームズは世界共通用語なので、事前に勉強しておきましょう。
輸入方法を決める
ワインを日本までどうやって運ぶか決めましょう。
船で運ぶ?飛行機で運ぶ?
日本は島国なので、ワインを輸入するためには必ず船か飛行機が必要です。
輸送の『予算』と『必要日数』に応じて、どちらが良いか決めましょう。
・船便→数か月かかるが、安い。
・飛行機→数日で届くが、コストがかかる。
常温にする?リーファーにする?
コストに大きく関わる「輸送コンテナ」の種類についても決めなくてはいけません。
・普通のコンテナ→温度管理がないので、外気温に左右される。
・リーファーコンテナ→温度管理付きなので、一定の温度に保って輸送してくれる。
リーファーコンテナの方が倍近くの費用が発生します。
しかし、ワインは温度変化に敏感なので、普通のコンテナでは劣化してしまう恐れがあります。
特に輸入する際に通る「赤道付近」では、コンテナ内の温度は60度以上になってしまうので、大切なワインを守るためにも、リーファーコンテナは必須です!
ワイナリーから港(又は空港)までの輸送手配
ワイナリーは田舎にあることがほとんどなので、ワイナリーから港や空港までの輸送手段も手配する必要があります。
トラックでワイナリーへ集荷に行ってもらい、空港や港まで輸送する手配を行いましょう。
(国内)港または空港から引取り先まで
日本に到着したワインを引取りに港(または空港)に行くのか、それとも会社などまで輸送してもらうのか決める必要があります。
ここまで大体のことを決めたら、輸送会社に見積を依頼しましょう。
・ワインの分析証明書を確認する
輸送の手配と共に、分析証明書も入手しておきましょう。
日本に「はじめてのもの」を輸入する際には、国内に入れても問題ないものだということを証明するための書類が必要だからです。(※食品やおもちゃなど)
分析証明書がないと日本に届いても、税関を通してもらえないので忘れずに手配しておきましょう!
ワイナリーから、検査機関(ラボ)に依頼して出してもらう書類。
検査機関や、成分分析日など、日本での決まりが色々とあるので、ワイナリーが「持っている」と言っても確認し直した方が無難。
時期や国によっては分析証明書をラボに依頼しても数週間かかる事もあるので早めに確認しておく。
正式な依頼を行う!
ワイナリーからのInvoiceと分析証明書、輸送会社から、輸送費の見積をもらったら準備完了です。
ワイナリーと、輸送会社(契約方法に支払いのタイミングは異なる)に、お金を払います。
準備が整ったら、ワイナリーから出荷されるので、日本への到着を待ちましょう!
ワインをお出迎えする準備を整える!!
ワイナリーから出荷されると、ワインは日本に向かって出発します!
とはいえ、準備はまだまだ続きます。
各種書類の準備
・ワインの製造工程表
・ワインの分析証明書→最初の交渉時に確認して保持しているものでOK
・食品等輸入届出書
・EPA申請のための情報もしくは書類
※通関業者によって異なる場合があるので、ワインが到着する前に確認しておきましょう※
ラベルの準備
ワインボトルの裏に貼る「ラベルシール」を作成し、許可を得ておかなければなりません。
このシールが貼っていないと、保税倉庫から出してもらえないので到着前に用意が必須です!
必要記載事項や文字の大きさなど、とても細かい決まりが色々あるシールです。
シールの印刷にも時間がかかるので、余裕をもって手配しておきましょう!
ようやく!手元に到着!
無事に輸入の認可がおりて保税倉庫から出ると、ようやく手元にワインが届きます。
特に船便の場合は、何カ月もかかりますが、手元にワインが届いた瞬間の嬉しさは、ひとしおです。
ここでは一連の流れを解説しましたが、ケースバイケースで様々なことが起こります。ワインだけではなく、海外との取引に色々なことは付き物ですね…
もちろんここから「売ること」が大きな仕事ですが、届いたワインを飲みながら一息つくのは、とても幸せな時間です!
輸入のお手伝いやっております!
「旅先で見つけた、このワインを個人用にたくさん輸入したい!」
「これからインポーター業を始めたいけど、何からすれば良いか分からない!」
「レストランに置きたいので、ワインインポーターを探している!」
日本にはまだ輸入されていない美味しいワインを、輸入したいと思っておられる方。
ぜひ、手続きのお手伝いをSoleicにお任せ下さい。
現在は、フランス・イタリア・スペインを中心としておりますが、その他の地域についてもお問い合わせくださいませ。小さな輸入会社だからこそ出来るノウハウでご要望にお応えします。
まずは、お気軽にご連絡ください。お問い合わせはコチラより。