Domaine Bel Avenirを訪ねて。

 

 

 

このDomaineを訪れた日を今も鮮明に覚えている。

まだ冬の寒い日だった。

 

車から降りると寒さが肌をさし

まだ太陽に暖められていない冷えこんだ空気が私達を包んだ。

 

そんな中

3代目にあたる現当主の女性が私達を笑顔で迎えてくれた。

2階のベランダからは

2代目の当主が私たちに手を振ってくれていた。

 

白い息とともに外で少し会話をした。

目の前のぶどう畑は春の息吹を前に

地中でじっくりと力を蓄えているようだった

畑の土はとても特徴的で、粘土と石灰という言葉が近いのだろうか

少なくとも私は見たことがない土だった。

 

 

土を不思議そうに手でこねている私の様子を

不思議そうに覗いた当主は

私達を醸造所に案内してくれた。

 

醸造所に足を踏み入れた時だった。

 

「ここだ!」

私たちを迎えてくれた「匂い」が

そう確信させてくれた。

 

形容し難いのだが

その「匂い」が

このドメーヌについて語ってくれた。

 

どれほど直向きにワインと向き合っているか

どれほどワインを愛しているか

どれほど妥協を許していないか。

どんなに多くの言葉をもっても伝えられない説得力をもって

私に確信を持たせてくれた。

 

もちろんそこが

小さくもとてもきちんと整備された醸造所で

とても魅力あふれる場所であったのは言うまでもない。

 

 

ワインを試飲した瞬間、その確信が正しかったと実感した。

「なんてことだ!なんでこんなに美味しいワインが埋もれているんだろう!」

テンプレートのような台詞を心の中で思ったのを今でも覚えている。

私がボジョレーに対して持っていたイメージは瞬時に覆された。

 

それから彼女は

土壌・環境などテロワールについて話してくれた。

当たり前のことかもしれないが、とにかく詳しくその土地を熟知していた。

何よりも、ここを愛しそれを誇りとしていることがひしひしと伝わってきた。

 

興味深かったのは、

19ヘクタールに及ぶ畑を持ちながら

その土地ごとの個性を1本1本のボトルに込めるため

面倒でも何でもあらゆる手を尽くしている話しだった。

モットーは「地区ごとの表現の違い」を明確にこめること。

 

なるほど

ワインから十分に伝わってくる。

 

代々、とにかく真面目にワインを造り続けてきたドメーヌだ。

 

知人が言った

「その実力にいよいよ評価が追いつきつつあるボジョレー」

その言葉に深く同意した。

早く日本に仕入れたいと思った。

 

このドメーヌの名前

”Bel Avenir”は

ドメーヌがある目の前を通る道と同じ名前だ。

 

『美しい未来』を意味する名前の通り、

その道と両側に広がっているぶどう畑の景色は素晴らしく綺麗で

とても美しかった。

 

 

帰り際、美しい景色を見ながら思った。

 

名前にふさわしく

あのワインには確かに

ボジョレーの『美しい未来』が続いている。